犬がずっとお風呂に入らないとどうなるの?
体に悪いのかな?
皮ふや被毛に悪い影響が出てくる可能性があるよ!
お風呂に入れられないときの対策方法も紹介するね
この記事でわかること
- お風呂に入らないとどうなるか
- お風呂の頻度
- 入れられないときの7つの対策
この記事を最後まで読めば、お風呂に入れられないときでも、犬の皮ふ・被毛・におい問題を最小限に抑えることができます。ぜひ最後まで読んでくださいね!
※本記事は書籍と信頼性の高いサイトの情報を参考にして執筆しています。
犬をお風呂に入らないとどうなる?
※この記事では「お風呂」=「湯船に入る」ではなく、「洗う」という意味合いで執筆しています。
本来、犬をお風呂に入れる必要はありません。
自然の中で暮らしていれば、雨や川の水、泥などの「天然のシャワー」を浴び、皮膚や被毛の健康バランスを保つことができるからです。
ところが、現在は室内で暮らす犬がほとんど。
天然のシャワーを浴びる機会がないため、そのままにしておくと、下記のような困ったことが発生するリスクがあります。
- 皮ふにトラブル
- 被毛にトラブル
- 悪臭が出る
- 寄生虫のリスク
1つずつ解説していきますね。
参考:健康促進のための愛犬コンディショニング|一般社団法人ジャパンケネルクラブ
皮ふにトラブル
犬を長い間お風呂に入れないと、皮ふトラブルが起こりやすくなります。
これは、皮膚を保護するための皮脂膜が古くなり、細菌の繁殖や皮ふの乾燥を防げなくなるからです。
具体的には、
- 皮ふにかゆみが出る
- ニキビや吹き出ものができる
- フケが出る
など。
以下のような皮脂の多い犬種は、とくに注意しましょう。
- フレンチ・ブルドッグ
- コッカー・スパニエル
- ラブラドール・レトリバー
- シーズー
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
若い犬(1~3歳)も皮脂が多いから要注意!
被毛にトラブル
ずっとシャンプーをせずにいると、毛の汚れや抜け毛が蓄積していき、少しずつ被毛の状態が悪くなっていきます。
被毛の特徴により、次のようなトラブルが発生しやすいです。
被毛の特徴 | どんな風になる? |
---|---|
長毛種 | 毛玉ができる |
短毛種 | ベタつく |
巻き毛 | マット化する |
白い毛 | 黄ばむ |
換毛期に古い抜け毛を体に残したまま、というのもトラブルのもとです。
毛根の新陳代謝が妨げられ、新しい被毛が育ちにくくなるでしょう。
さらに、体に残る多量の毛により、通気性が悪くなり、体温調整の妨げにもなってしまいます。
換毛期に大量の毛が抜ける「ダブルコート(※)」のワンコは、とくに注意しよう!
※2種類の毛が生えている被毛のこと。太くてしっかりした「オーバーコート」と、柔らかくて細い「アンダーコート」の2重構造になっている。
悪臭が出る
どんなにかわいいワンコでも、長い間洗わなければ、だんだんと臭くなるものです。
においの原因は、
- 皮脂
- 汗
- 被毛に付いた汚れ
とくに汗や皮脂は、犬特有のにおいの原因になります。
汗と皮脂の発生元を見てみましょう。
1:アポクリン汗腺
体全体にある汗腺で、タンパク質を含む汗を分泌します。汗の中のタンパク質が空気に触れて酸化したり、細菌によって分解されたりすると、独特のにおいが生じます。
2:尾腺野(びせんや)
尾の付け根にある太い毛がまばらに生えている場所です。皮脂を多量に分泌し、犬固有のにおいを発生させます。
3:エクリン汗腺
主に肉球にある汗腺で、サラサラした汗を分泌します。ポップコーンのにおいがしてきます。
上記のにおいは、犬自身だけでなく、犬のベッドやおもちゃ、さらには家全体にも広がることがあるため、注意が必要です。
「皮脂が多い犬種」や「汗が多い若い犬」は、においやすいよ!
寄生虫のリスク
お風呂にずっと入れずにいると、最悪、寄生虫がついてしまうことも。
虫が付いてしまうと、犬が辛い思いをするだけでなく、ほかのペットや家族にも被害が広がる可能性があります。
どんな虫がつくかというと、
虫の種類 | どんな風になる? |
---|---|
ノミ | かゆみ、皮ふ炎 |
マダニ | かゆみ、皮ふ炎 |
シラミ | かゆみ、脱毛 |
など。
感染が広がるから怖いね!
犬をお風呂に入れる頻度
お風呂に入れないと、いろいろなリスクが発生するため、定期的にお風呂に入れましょう。
お風呂の頻度は月に1~2回くらいがおすすめ。
参考:渡辺まゆみ(著)『DOG GROOMING BOOK 』P22
頻度は、ワンコの特徴や環境に合わせて調整するとよいでしょう。
頻度の目安 | 犬の特徴・環境 |
---|---|
月1回くらい | 短毛、室内犬、老犬、冬 |
月2回くらい | 長毛、屋外犬、活動的な犬、夏 |
月に1、2回か…そんなに頻繁に入れてあげられないよ
飼い主によっては、時間が取れない、体調がすぐれないなどの理由で、あまりお風呂に入れられないことってありますよね。
また、ワンコによってはお風呂が苦手で、ストレスから体調を崩してしまう子もいます。
次のパートからは、そんな飼い主やワンコのための対策方法を紹介していきます。
お風呂に入れられないとき
犬をあまりお風呂に入れないときは、以下の方法でケアしましょう。
いくつかの方法を組み合わせることで、皮ふ・被毛・においのトラブルを遠ざけることができます。
- ブラッシング
- シャンプータオル・ドライシャンプー
- お湯だけシャンプー
- 食べ物の見直し
- こまめな掃除・洗濯
- ペットサロンの利用
- 定期的なチェック
ブラッシング
ブラッシングはドッグ・ケアの基本の「き」。
皮ふや被毛に良い効果があるので、毎日1回はおこないましょう。
ブラッシングのメリットは、
- 毛のもつれ解消:皮ふへの負担がなくなる
- ゴミやフケの除去:清潔になる
- 抜け毛の除去:新しい被毛が成長する
- マッサージ効果:血行が良くなる
など。
毎日5分だけでもブラッシングしよう!
ブラッシングのやり方
ブラシを軽く持ち、やさしくブラッシング。
毛が長いワンコの場合は、毛先をとかしてから、根元をブラッシングしましょう。
おすすめのブラシ
- ピンブラシ 長毛犬種向き
- ラバーブラシ
- スリッカー ダブルコートの短毛種・テリア種向き
- 獣毛ブラシ 全犬種向き
シャンプータオル・ドライシャンプー
水を使わずに洗うことができる「シャンプータオル」や「ドライシャンプー」を使ってみるのもおすすめ。
- シャンプータオル:
洗浄成分が含まれたタオルで、犬の体をふくだけで、汚れやにおいを取り除くことができる - ドライシャンプー:
粉末やスプレータイプのシャンプー剤で、水を使わずに汚れを落とす
この2種類のシャンプーは、次のようなときにも便利に使えます。
- 外出先
- 冬場
- 皮ふが弱い犬
緊急時のためにも、1つ用意しておくといいね!
シャンプータオルの使い方
毛並みに沿って汚れをからめ取るように拭く。「顔」「足先」「お尻周り」は丁寧に。
ドライシャンプーのやり方
体全体にドライシャンプー剤をもみ込む。乾いたタオルでよく拭き取る。
参考:犬のドライシャンプーの手順をプロが解説|ライオンペット
お湯だけシャンプー
忙しい飼い主やお風呂嫌いのワンコは、シャンプー剤を使わず「お湯だけ」で汚れを落とす、という方法もおすすめ。
シャンプー剤で洗う時間がなくなるので、お風呂時間を短縮でき、負担が減ります。
洗い方
シャワーヘッドをボディに密着させて洗うのがポイントです。
洗う順番は以下のとおり。
①足元→②頭の後ろ→③首の後ろ→④胸→⑤背中→⑥体→⑦しっぽ→⑧後ろ足→⑨前足→⑩頭と顔
お湯洗いは、毛の奥に入り込んだ汚れは落としにくいよ
定期的にシャンプー剤で洗ってあげることも忘れずにね!
おすすめグッズ
マイクロバブル、マイクロナノバブルといったとても細かな気泡を発生させるシャワーヘッドがおすすめ。
シャンプー剤を使わなくても、泡の力で汚れを落とす最強アイテムです。
食べ物の見直し
犬の体臭が気になる場合は、フードやおやつを見直してみましょう。
次のような食べ物は、犬のお腹の環境を悪くし、その結果、体臭を強くしてしましまいます。
- 低品質のドッグフード
- 添加物の多いおやつ
- 人間の食べ残し
普段、与えている食べ物を見直してみよう!
こまめな掃除・洗濯
「犬まわり」と「生活空間」をこまめに掃除しましょう。
とくにワンコのお気に入りの場所は、早めに掃除・洗濯したいですね。
我が家のソファーです。
ワンコがいつも寝ているせいか、1か月もすると皮脂でうっすら白くなってきます。
ラバーブラシでこすってみると、皮脂がポロポロと!
こうなってしまうと、強めの洗剤でゴシゴシしないといけなくなり大変!
普段からこまめに掃除することが大切ですね。
以下のような掃除・洗濯を定期的におこなうと清潔を保てます。
- ベッドの洗濯
- ケージの掃除
- カーペット・畳の掃除機かけ
- カーテンの洗濯
- 除菌・防臭スプレーの使用
犬のベッドは、天日干しもしよう!
ペットサロンの利用
ペットサロンを利用して、シャンプーはプロにおまかせ!というのもアリです。
プロならではのテクニックで、ビックリするくらいきれいに洗い上げてくれます。
また、ペットサロンでシャンプーを頼むと、
- 肛門腺しぼり(※)
- 爪切り
- 耳掃除
- 足裏の毛のトリミング
※肛門の両側にある小さな袋状の腺から分泌物を取り除くケアのこと
といったサービスが付くのも、うれしいポイントです。
上記サービスをしてもらうと、以下のようなメリットがあるんですよ。
- 肛門腺しぼり におい防止、炎症防止
- 爪切り 床の傷防止、けが防止
- 耳掃除 におい防止、炎症防止
- 足裏の毛のトリミング 床すべり防止、汚れ防止
上手に洗ってくれるから、ワンコのストレスも少ないよ!
定期的なチェック
最後に忘れていけないのが、日ごろのチェック。
犬の皮ふや被毛によく触れ、異常がないかよく観察しましょう。
獣医による定期的な健康チェックを受けることも大切です。
予防接種などのついでに、以下について診てもらうといいですよ!
- 寄生虫の有無
- 皮ふの状態
- 耳の状態
- 肛門腺の状態
ノミ・マダニの薬も忘れずにね!
まとめ:お風呂に入らないとどうなる?4つのトラブルに注意しよう!
犬をお風呂に入れないとどうなるのかについて解説しました。
あらためて、まとめると以下のとおり。
犬をお風呂に入れることは、健康を守るために大切です。
日々のケアと定期的なお風呂で、ワンコの健康を守りましょう!